SHIFT社による契約業務DXへの挑戦 - 成功・失敗事例から学ぶ、ツール導入検討時に考慮すべきポイントPR

法務部

目次

  1. SHIFT社の法務部における契約業務DXのこれまでと現在地
  2. 課題認識の「ズレ」が失敗につながった
  3. DXでは自分たちの仕事をきちんと分析していくことが重要
  4. 現状の業務における、変わりたいこと・変わらないことの選別を

契約審査業務の課題解決に向けたサービス開発を手掛けるスタートアップ GVA TECH株式会社。同社 取締役 CLO/弁護士 康潤碩氏は、契約業務DXの推進フェーズで重要なことは「業務分析を通じた課題の整理と特定、そしてそれらを検証していくこと」だと強調します。11月25日に開催されたオンラインカンファレンス「Legal Innovation Conference 〜法務DXの壁を越えろ〜」では、株式会社SHIFT 経営管理本部 経営管理部 法務グループ グループ長 照山浩由氏、同法務グループ 上西健太郎氏を迎え、SHIFT社の事例をもとに、DX推進の成功・失敗ケースについて議論を繰り広げました。

左から、株式会社SHIFT 経営管理本部 経営管理部 法務グループ 上西健太郎氏、同グループ長 照山浩由氏、GVA TECH株式会社 取締役 CLO/弁護士 康潤碩氏

左から、株式会社SHIFT 経営管理本部 経営管理部 法務グループ 上西健太郎氏、同グループ長 照山浩由氏、
GVA TECH株式会社 取締役 CLO/弁護士 康潤碩氏

SHIFT社の法務部における契約業務DXのこれまでと現在地

セッションではまず照山氏が、契約審査を含めたSHIFT社における契約業務DXのこれまでについて紹介しました。

同社の法務組織は、照山氏の入社後に発足しました。照山氏が入社したタイミングでは「組織としてまっさらな状態」で、当初は、毎日ひたすら契約審査の依頼がきていたといいます。依頼の受付方法は、メール、チャット、口頭などバラバラ。Excelの台帳で依頼を管理していたものの、業務の安定性が担保できないことが課題でした。

そこで、契約書審査の依頼はフォームによる受付に一本化することを決定。さらに、ビジネスアプリケーション作成ツール「Microsoft Power Apps」で契約管理システムを作成したことにより、管理における抜け漏れをなくすことに成功しました。

また、SHITF社の契約審査は従来、経験者と未経験者でのダブルチェック体制でした。Wordファイルにまとめられた審査観点表をもとに、それぞれが人力で契約書を確認していましたが、多忙のため安定的なチェックができず、GVA TECHのクラウド型AI契約審査ツール「GVA assist」(旧名称 AI-CON Pro)の導入に至りました。

さらに、契約締結、製本、押印のフローにおいては、電子契約サービスを導入。在宅で勤務しながらも、契約書の締結が行えるようになっています。一方、社内承認については、もともと内製のシステムで行っているため、リプレイスの予定はないといいます。

課題認識の「ズレ」が失敗につながった

SHIFT社の現状に対し、失敗したと思う点について康氏が問いかけると、照山氏は「電子契約における課題が大きい。2020年のコロナ禍への対応において、スピードを優先させて急ピッチで電子契約を導入することになり、導入後の理想の状態の設定など、課題の本質にフォーカスしきれなかったり、ワークフローの整理をきちんと行えなかったりと、十分な検討ができなかった。それにより、電子契約の設定工数増大といった課題が新たに発生してしまった」と明かします。

さらに、上西氏は、「もともと製本や押印は法務のみで担当していたため、電子契約を導入するのであれば全社プロジェクトにせず、法務で巻き取ってしまうほうが早いという考えのもと、法務が電子契約の導入・設定を行った。しかし、蓋を開けてみると、物理的な押印は減ってきているものの、電子契約の締結件数は日々増えており、もともと物理的に押印作業をしていた際に掛かっていた時間よりも、電子契約の設定作業に忙殺される時間が増えてしまった」と、課題の詳細について補足しました。

株式会社SHIFT 経営管理本部 経営管理部 法務グループ 上西健太郎氏

SHIFT社のこうした状況を踏まえ、康氏は「DXを進めるうえで大切なことは課題設定。ツールを導入する際には、『不存在(抽象的にはできた方がよいが、現場では具体的な課題として存在していないこと)』、『ズレ(現場の感覚とずれていること)』、『不明瞭(スピードアップ、効率化などといった漠然とした目的を設定していること)』という3つの観点から、適切な課題設定ができているかを確認することが重要」と指摘します。

これに対し、上西氏は、「現場とのズレはあったように思う。経営陣からの『迅速に在宅勤務体制への移行を実現したい』というオーダーに応えるため、電子契約の設定を法務ですべて巻き取るという手段をとったが、結果として、それが法務の工数増大のきっかけになってしまった」と回答。「時間がないなかとはいえ、会社としてどのような方向に進むべきか、導入前に未来予想をすべきだった。会社が成長している状況なので、今後増えていく契約件数を定量化しながら検討することが必要だった」と振り返りました。

DXでは自分たちの仕事をきちんと分析していくことが重要

一方で、契約審査のDXは成功していると評価する上西氏。「ダブルチェックの工数が掛かっていたこと、Wordで作られた審査観点表の検索性が悪く確認するのに時間が掛かることが主な課題だった。これに対し、経営陣とともに『審査依頼から2営業日以内に必ず返す』という目標を設定。目標達成のためには、一定の品質を保ちながら、効率的に業務を回す仕組を作ることが必要不可欠だった。GVA assistのトライアルを経て、課題が解決できそうという実感が持てたため正式導入に踏み切った」と、「明確な目標設定をしたこと」「トライアルでツールが自社の課題解決にマッチしているか確認したこと」が成功につながっていると考察しました。

上西氏の説明を受けて、康氏は改めて、「課題の属性を整理し、特定・検証をしていく流れを作ることがポイント」とコメント。これに同意する形で照山氏も「ツールを入れたからといってDXが進むわけではない。課題をどこに感じていて、そこにツールを導入することでどう解決され、どのように品質・業務効率が上がるか、という順序で考えていくことが大事。また、導入したらおしまいではない。導入した結果どうなったかまで検証し、うまくいかないのであればやめるという判断もありえる。自分たちの業務をきちんと分析していくことがDXにおいては重要」と語りました。

株式会社SHIFT 経営管理本部 経営管理部 法務グループ長 照山浩由氏

また、康氏の「どのような課題を設定してDX推進における問題を解決していくべきか」という問いかけに対して、照山氏は「日常的な業務の改善・整理はどの企業でもやっているはず。そのなかで課題の特定・改善していく取り組み自体にツールを活用すると、DXはよりドラスティックに進む」とDXの本質について説明したうえで、DXを進める秘訣について次のように語りました。

「課題を特定してツールを導入したとしても、そのツールが課題の解決策としてマッチしていなければ、業務効率化を阻害する要因になりかねない。リモートワークの普及など、社会全体として仕事のあり方が変わっていくなかでは、法務の仕事もそれに合わせて変わっていかなければならない。そうであるならば、本当に時代の変化についていけるツールになっているか?という視点も重要」(照山氏)

現状の業務における、変わりたいこと・変わらないことの選別を

SHIFT社の成功・失敗例から、契約審査DX、ひいては法務DXを推進する際には、事前準備として課題の本質にフォーカスすることの重要性が伺えるセッションとなりました。ディスカッションの内容を踏まえ、康氏は最後に次のようにまとめました。

「まずは『どう変わりたいか』をイメージすることが大事。どう変わりたいかがなければ、変わりたいこと・変わらないことの選り分けができない。ツールを導入しただけでは自社の課題は解決しないし、ツールも社内浸透しない。GVA assistができることは、「契約審査に必要な情報を適切なタイミングで提示すること」「人力の単純作業をシステムに置き換えること」の2点。契約書のDXにおいても、そこに焦点を当てて考えていくといいのではないか。GVA TECHのテクノロジーを使って、自社にとって有益な契約審査をスピーディーかつ効率的に進めていってほしい」(康氏)

GVA TECH株式会社 取締役 CLO/弁護士 康潤碩氏

GVA TECH株式会社
「法務格差を解消する」をミッションに掲げ、契約において法律知識が問われる業務をテクノロジーで効率化する「AI-CON」シリーズを開発・提供しています。

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