法務担当者のための転職ガイド

第2回 法務の求人動向と転職活動の進め方

法務部

目次

  1. 転職市場の現状
    1. 転職市場の動向と求人のトレンド
    2. 年代別の求人の特徴
    3. 転職活動に適した時期と一般的なスケジュール
  2. 転職活動の進め方
    1. 書類作成
    2. 転職エージェントの活用
    3. 応募先選定
    4. 面接
    5. 内定、退職交渉・引き継ぎ
    6. 業種や属性(資格)による違い

この記事では、転職すると決意した法務担当者のために、法務の転職市場の現状と、転職活動の進め方について、管理部門専門転職支援サービス「EXCAREER」(エクスキャリア)のキャリアコンサルタント西村英貴が解説します。転職活動が初めての方にもわかりやすいように、プロセスに沿って紹介します。

転職すべきかどうか迷っている人には、こちらの記事もおすすめです。



弁護士ドットコム キャリア事業部 事業部長 西村英貴

西村英貴
弁護士ドットコム キャリア事業部 事業部長


インテリジェンス(現パーソルホールディングス)、リクルートキャリア(現リクルート)を経て、2016年弁護士ドットコムへ入社し、弁護士特化型の転職支援サービス「弁護士ドットコムキャリア」を立ち上げ。その後、2018年管理部門専門転職支援サービス「EXCAREER」をリリース。一貫して転職支援事業に従事し、これまで2000名以上のカウンセリングを実施。


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転職市場の現状

転職市場の動向と求人のトレンド

法務職に関しては、多くの会社において法務機能の必要性や重要性への認識が高まっており、売り手市場の状況が続いています。
最近の求人を見ていると、事業部との距離が近い立ち位置で仕事に取り組める人を求める潮流が顕著になっています。単に白黒をジャッジする旧来型の法務ではなく、事業部と一体となってビジネス実現のためにサポートできる法務担当者というのが、今一番求められている人物像です。ですので、ほぼすべての求人において、コミュニケーション能力への言及が見られます。

ただし、求人情報にこうした記載があっても、実際にその会社が、そのような法務像を体現できているかは別の話です。求人情報も広い意味では「広告」ですから、求職者にとって魅力的に映らない情報は書かれていないという点には注意が必要です。

年代別の求人の特徴

(1)20代・30代

一般的には、35歳から40歳あたりを境に、それより下の年齢層が「若手」とされ、求人が豊富に出ています。

この年齢層の採用が多い理由として、採用後の中長期な活躍を期待する採用側の意図があることが、まずあげられます。
また、若手は比較的身軽なライフステージにいるため流動性が高く、欠員補充が必要な場面が多く発生するから、という理由もあります。このような求人の場合、あなたが会ったこともない「前任者」と比較される選考になることが多いです(これは若手以外にも当てはまります)。次回以降の連載では、このような採用背景がある場合の面接対策をお教えします。

若手の転職の場合、手に入れたいものが明確になっているなら、業界チェンジを果たすことも大いにあり得ます。特に20代であれば、ポテンシャル採用が期待できるので、たとえば日系メーカーから外資系ITへという振り幅の大きな転職も可能です。

連載では、このような転職を希望する場合に何より重要となる、意欲のアピールの仕方についても紹介します。

(2)40代以上

40代以上になると、採用側の求める条件が多くなるため、求職者の希望する待遇と求人の条件がマッチしにくくなります。特に、伝統企業であればあるほど、年齢と役職の比例関係が顕著になり、ポジションがぐっと少なくなってきます。

最も難しいのは、現職のポジションが大企業の担当部長など、実質的なマネジメントをしていない管理職で、早期退職募集といった事情で自分の意思に反して転職活動をすることになった人の場合です。
一部の方は、「大企業のやり方を学びたい、力を貸してほしい」というニーズに応じて中堅・新興企業に移り、結果的にCLOなどのポジションを得られることもあります。しかし大多数の方は、プライドが邪魔をして、年収や会社の「格」が下がるのを嫌がるため、ご紹介できる案件がなかなかありません。こういう場合、転職エージェントとしてはご支援が極めて難しいと考えます。

法務部長の求人については、多くの場合、表立った採用活動は行われません。それにはいろいろな理由がありますが、法務部長を内々に交代させたいといった裏事情があることもあります。
部長職の求人は、プレイヤーとしての求人とは違って、求める人物の条件定義が曖昧にならざるを得ません。せいぜい、「◯◯事業に関する法的な観点からの整理とリスクアセスメントについて、ビジネス側と協調して進められる人」くらいでしょうか。また、給与についても明確ではなく、この人を採用したいと思えば想定以上の額を出せる場合はありますし、その逆のパターンもあり得ます。

そのため、エージェントとしては、求人が出ているわけではなくても、フィットしそうな候補者が現れれば採用を打診します。打診してみると、何らかの課題感があることがわかり、採用できるかはわからないけど一度お会いしたい、と話が進むこともあります。

転職活動に適した時期と一般的なスケジュール

転職活動を始めるベストなタイミングはいつでしょうか? まず知っておくべきは、採用側は総じて早く採りたいと考えているため、入社可能時期に近い時期に活動したほうがいいということです(エージェントによっては、3か月以内に転職する意思がなければ支援しない場合もあります)

転職活動の一般的なスケジュールは以下のとおりです。

転職活動の一般的なスケジュール

転職活動の一般的なスケジュール

また、一般的に求人件数が多くなる時期もあります。採用ニーズは、企業の決算と組織変更によって発生しますので、
4月入社に向けた1月〜3月、10月入社に向けた7月〜9月が採用の多い時期といえます

この時期は、求職者にとってライバルも多くなるので、求人が多いから決まりやすいというわけでもありませんが、選択肢が増える時期であることは事実です。

転職活動の進め方

次に、転職活動の進め方をお伝えします。この連載では、以下のプロセスごとに、役立つノウハウを紹介していきます。

書類作成

転職活動で用意すべき応募書類の基本は、履歴書と職務経歴書です。
履歴書は事実を書くだけなので何も考える必要はなく、5分もあれば書けてしまうでしょう。
しかし、職務経歴書を書くのは大変です。スムーズに書くためには、訴求ポイントを整理・定義することが必要です

職務経歴書は、自己客観視と課題解決の観点から書かなくてはなりません。この連載では、過去の経験や未来への意欲を自己分析して訴求ポイントを整理し、応募先企業が抱える課題の解決と結び付けるにはどうすればいいか、具体的な方法を紹介します。

求人情報は採用側の広告であり、職務経歴書はあなたの広告です。良い職務経歴書が完成すれば、あとは転職活動というゲームの流れに乗っていくだけ。作成するのは大変ですが、ここでリードしておけると、活動がぐっと有利になります。逆に、職務経歴書をいい加減に作ってしまうと、その後のゲームが不利になります。
連載では、面接で会って話してみたいと思わせるための書き方も紹介していく予定です。

転職エージェントの活用

多くの人が、転職活動を進めていくうえでエージェントを活用しています。
エージェントにはさまざまな業者が存在し、持っている求人の件数や特化している職種など、それぞれに特徴があります。そのため、何を期待してエージェントを使うのかという目的を、ある程度イメージしておくことが大事です
また、同じエージェントでも担当者によってタイプが異なるので、相性の問題も重要です。

連載では、転職エージェントとは何をしてくれるものなのか、どう選べばよいか、使いこなすためのポイントは何か、などについて紹介します。

応募先選定

どの求人に応募するかを考えるときは、第1回でも説明したとおり、手に入れたいものや解決したい課題を明確にすることから始めましょう。ここをおろそかにして求人情報を見ていると、単に名前を知っているだけの有名企業や、給与が高そうな求人、何となくキラキラしている求人にばかり目が行ってしまいます。
「応募先=希望条件の集合体」ではなく、今の環境では解決できない課題を解決できる可能性がある場所が、応募先になり得ると考えるべきです

一度も名前を聞いたことのなかった会社でも、選考が進んで初めて、自分に合う会社だとわかることもあります。逆に、選考途中で生じた違和感が消えないなどの場合には、途中で辞退することも考えましょう。

本当に自分に合う会社はどっち?

本当に自分に合う会社はどっち?

面接

面接は、いわば「商談」です。選考が始まると、ついゲーム感覚になり、「うまくクリアして内定をゲットしよう」と考えがちですが、自分に何ができるのかを証明するだけでなく、どういう仕事を任されるか、現職で解決できない課題を解決できるのか、を確認する場であることを忘れてはなりません

そのため、面接で「どう答えるか」と同じくらい、「何を質問するか」が重要です。連載では、この点についても具体的に紹介していきます。

内定、退職交渉・引き継ぎ

内定が出て、現職の上司に退職の意思を伝えると、引き留めにあうことがあります。引き留めへの対応は、意思を強く持つということに尽きます
あなたが優秀であればあるほど、異動や昇進・昇給といったカウンターオファーが提示される可能性があります。しかし、だまされてはいけません。ポジションを用意するというのならわからないでもないですが、辞めると言ったら給与を上げてきた、というのは理屈が通りません。

連載では、退職交渉のスムーズなやり方や、円満退職のための引き継ぎのポイントについてアドバイスしていきます。

業種や属性(資格)による違い

法務職の転職は、業種によってそれぞれ状況が異なります。また、弁護士資格などの資格が転職活動において大なり小なり影響する場合があるというのも特徴的です。
連載では、この点についても説明し、業種や属性に応じた傾向と対策を紹介します。

今回は、法務の転職市場の動向と転職活動の全体像を紹介しました。次回からは、転職活動の流れに沿って、具体的なノウハウを紹介していきます。

弁護士ドットコムが運営する「EXCAREER(エクスキャリア )」

弁護士ドットコムが運営する「EXCAREER(エクスキャリア )」では、弁護士ドットコムやBUSINESS LAWYERS(ビジネスロイヤーズ )のネットワークを活かして、法務の方のキャリア支援を実施しています。転職をご希望の方へは求人選定から書類添削や面接対策、条件交渉まで、すぐにご検討でない方へは転職マーケットの現状や、キャリアをどう構築していくべきかのアドバイス等を、専任コンサルタントが無料でサポートします。お気軽にご相談ください。

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